9月決算の我が社は前期の決算も無事終え、すでに新しい期に入っている。大まかな方針も中期経営計画も立案し、あとは財務戦略の立案を頼まれている。さて、どうしようかとここのところ頭を悩ませている。我が社は上場企業ではないのであまり市場を意識することはない。それでも銀行からお金を借りる以上はそれなりの決算をあげないといけない。つまり毎年一定レベルの利益を計上しないといけない。「税金を払いたくないから」と赤字決算にしていては銀行からお金を借りることはできない。銀行からお金を借りようと思ったら、利息は払わないといけないし、税金だって払わないといけない。
利益の元は売上であるが、そればかりを追ってもいけない。売上至上主義の会社は社内もギスギスするし、ストレスは蔓延するし、とても「いい会社」とは言えない。しかし、売り上げが上がらないと給料もボーナスも上げられない。給料もボーナスもずっと変わらない会社がいい会社かと言うとそれは絶対に違う。「至上主義」に陥ってはいけないが、売上計画を立て、それをしっかり追求していくことはやっぱり重要である。それに売上だけ追求していればいいかというとそうではない。ざるのように支払いが続けば後には残らない。利益も重要である。
我が社では粗利(売上総利益)も重視するように呼び掛けている。我が社の場合、現場のエンジニアの給料が原価に入り、外注費も原価に入る。そうした原価も睨みながら現場の運営をやってもらわないといけない。ダラダラと仕事をして残業が増えれば原価も上がる。残業を抑制することは原価管理的にもワークライフバランス的にも好ましい。「粗利率目標」は財務戦略上の目標の一つに掲げたい。そうして一定の粗利率が確保できれば、あとは販管費を抑えることになる。DXブームで色々なサービスが登場しているが、大事なのは「費用対効率」であろう。
今はいろいろなサービスのセールスの電話がかかってくる。確かにそれらのサービスは便利である。しかし、同時に当然ながら費用がかかる。手間暇の軽減と費用負担とを比較した上で選択しないといけない。例えば請求書を自動作成してくれるサービスなどは確かに便利で手間暇を軽減してくれる。しかし、請求書の発送件数が月に数百件であればいいが、20件にも満たなければエクセル管理のまま手作業でやった方が余計な費用はかからない。利便性よりも販管費の抑制の方が効果は大きい。
労働分配率などは指標としては面白いが、一般社員にはわかりにくい。それに比率も大事だが、実際に「いくらなのか」も重要である。我が社はなるべく社員への還元をして行こうという方針である。となると労働分配率は高くなるし、人件費率も然り。人件費を上げれば利益は抑制される。利益を上げようとすれば人件費は上げられない。ここはどうしても両立できないトレードオフの関係にある。唯一の解決策は売上(それもできれば一人当たりの売上)を伸ばしていくことしかない。しかし、あまり売上に力を入れすぎると「売上至上主義」になってしまうかもしれない。
結局、大事なのは「バランス」なのであるが、それをどう財務戦略に落とし込んで表現していくかとなると難しい。「人件費」は「原価」であり、「販管費」であり、それは企業会計上「コスト」に分類される。人件費を「コスト」として考えると、それは「抑制すべきもの」となる。しかし、我が社は人件費を「コスト」とは考えたくはないという主義である。子供のいる家庭で、子供の食費や養育にかかる費用が抑制すべき「コスト」かと言えばそんなことはないだろう。もちろん、収入との関係もあるが、子供の笑顔にお金を惜しむ親は(普通の感覚では)いないだろう。
上場企業でないことはこうした考え方を貫いていくには誠に具合がいい。自分たちの考えに沿った行動を(「バランス」を考えながらだが)追求していける。「自分たちはこういう会社だ」ということを自由に主張していける。「利益を出しながら」という制約条件をこなしながら、自分たちの考えるいい会社をめざす。表現は難しいが、頑張って上手くまとめていきたいと思うのである・・・
![]() |
| PexelsによるPixabayからの画像 |

0 件のコメント:
コメントを投稿