GWも早や最終日である。
今年は前半3日、3日間おいて後半4日という構成であった。
もっとも1日休みをもらったので、3-2-5という構成となった。
世間もまだまだ厳しいところが多い中、ありがたいことだと思う。
考えてみれば、私が社会人になった26年前は銀行はまだ土曜日の営業をしていた。振替休日の制度はもっと早く始ったような記憶があるが、日本人の働き過ぎが海外で批判を浴び、休日が増えていったように記憶している。5月4日は、いつもカレンダーと睨めっこしてうまく休みと重ならないかと思っていたものだが、いまや堂々と祝日(みどりの日)となっている。そうした恩恵が、今回は後半の4日間に活きている。
せっかくのまとまった休日ではあるものの、どこかに旅行に行こうなどという話は我が家では出てこない。それは金銭的な理由もあるが、一番大きな理由は渋滞・混雑だ。この時期、間違ってもディズニーランドに行こうとか、新幹線や高速を使って遠方に泊まりに行こうなどという話は、我が家では出てこない。事実、鉄道や高速道路の渋滞のニュースが、その判断に正当性を与えている。
近場でも鉄道が繋がった横浜の中華街や川越、そしてスカイツリーなどの観光スポットも大変なにぎわいだったようだ。どうしてそうなるのかと言えば、やはり日本人の勤勉性のゆえだろうかと思う。例えばスカイツリーがオープンしたから、休みを取って行こうなどとは普通は思わないだろう。我が家も行くとしたら土日だし、それも混んでいるだろうからしばらく経ってからという有り様だ。まぁ子供の学校があるから、私が仮に休みを取ったとしても同じではあるのだが・・・
だいぶ緩和されたとは言え、まだまだ「働く事は美徳、休むのは悪」という考え方は日本社会に広く浸透していると思う。それゆえに海外から「日本人は働き過ぎ」と批判されても休まず、わざわざ休ませるために祝日を作らないといけなかったのだと思う。祝日まで作って、ようやく“仕方なしに”“みんなが休むから”休むのであって、それゆえにみんなの休みが集中するから混雑するのであろう。
今となっては「働き過ぎ」と批判の声は聞かないが、それはよく休むようになったためというよりも、日本の経済力が落ちてきたせいではないと思う。我が職場でも、実は休みはむしろ推奨されているが、仕事が残っていると別にそれが急ぎのものでなくとも、何となく休みを取る事に抵抗感がある。それは帰るにしても同じで、みんなが仕事をしている中、一人先に帰るのは何となく心苦しく感じる。日本人の平等意識もあるのだろうが、仲間が働いているのに休んだり先に帰ったりするのに抵抗感を覚える者は少なくないと思う。
「働くのが美徳」という風潮は悪い事ではない。戦後の荒廃から日本が復活した原動力だと思うし、それが今でも経済大国を支えている要因だと思う。問題は、それが行き過ぎて「休むのは悪」となってしまっている事だろう。メーカーのように会社全体が休みになる所は問題ないだろうが、交代で休むとなると“実害”が出てくる。
それは周りの同僚に休み中の対応をしてもらうという負担をかける事であるが、普通の感覚の持ち主であれば、「気兼ねなく」というのは難しい。ただそうした負担は「お互い様」と割り切れば、気兼ねがなくなるのも事実。それが証拠に、夏休みはみんな遠慮なく取れる雰囲気になっている。それが普段にも及べば、休みも取りやすくなるだろう。
夏休みだって、子供がいれば無理だろうが、そうでなければわざわざ夏に取る必要もない。そういう意識が我が職場だけでなく、日本人のDNAに刷り込まれれば、お盆や正月、連休にどこもかしこも混雑するという状況が少しは改善されるのではないかと思う。
まあ現状でも工夫次第のところはある。遠くへ泊まりで行かなくても、我が家は江戸東京博物館へ行き、恒例の森林公園に行き、近所に新たにオープンしたイオンを買い物がてら見に行き、『夜更かしデー』と称した家族での映画鑑賞は子供たちに大好評であった。もともと天の邪鬼だから、人とは反対の行動を取りたがるところがあるのだが、おかげで渋滞や混雑のストレスはほとんどなかったし、これはこれで楽しい過ごし方だったと思う。
子供たちももう少し大きくなってくると、またGWの過ごし方の変わっていくのかもしれない。子供たちが社会に出る頃には、働く事と休む事のバランスがどのようになっているのだろう。「働く事が美徳」というDNAは是非残していってもらいたいが、「休む時は(みんな一緒でなくても)休む」という賢い選択ができるようになっていればいいだろうにと思う。
まあ定年まであと10数年。「毎日が日曜日」となるまでは、工夫をこらした休みを過ごしたいと思うのである・・・
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