2023年10月18日水曜日

こずかい

 先日の事、家族で息子のこずかいの話題が出た。私は高校3年生の息子がいくらこずかいをもらっているか知らず、その時初めて4,000円だと知った。イメージとして5,000円くらいかなと思っていたので、少ないように感じた。あとで調べてみたら、高校生の平均は4,950円との事。私の抱いていたイメージとほぼ同じだったが、息子は平均よりもちょっと少ないようである。それでも息子はあまり使わないのか、特に不満はないようである。値上げ要請も特にない。まぁ、本人が満足しているならそれでいい。

 ところが、本人ではなくまわりの友達が不満らしい。まわりの友達は7,000~10,000円と高額なこずかいをもらっているらしいのだが、それでも不満で親と増額交渉をするらしい。しかし、その時親の方から我が息子の4,000円を採り上げられて、充分なはずと否決されるらしい。「お前のせいでこずかいを上げてもらえないからお前も上げてもらえ」と言われるらしい。母親たちのネットワークの恐ろしさでもあるが、微笑ましい話である。

 そう言えば、私の場合、親にこずかいをもらっていたのは中学生までであった。中学を卒業した時の春休みに近所の友達の大工をしているお父さんに、どういう経緯だったかアルバイトをさせてもらい、いくらかを手にした。それで夏休みまでもたせ、夏休みにまたアルバイトをしてこずかいを稼ぎ、それで当面賄い、また次の春休みにアルバイトをするという事を繰り返してこずかいを賄った。高校時代はそれで十分ではなかったが、何とか親にもらわずにすんだ。

 今から考えると、よくやりくりできたなと思う。ただ、考えてみれば集中して10日くらいアルバイトすれば30,000円くらい稼げるだろうし、そうすれば月5,000円として半年間は持つことになる。詳細は忘れてしまったが、たぶんそのあたりの金額でうまくやりくりできていたのだと思う。高校の時は結局、友達のお父さんのところで大工仕事の雑務をやらせてもらって過ごした。

 大学に入ると、さすがに支出も増え、家庭教師や防水工事など、いろいろなアルバイトをしてこずかいを稼いだ。さすがに学費や教科書代、定期代などは賄いきれずに親に出してもらったが、そういう「学業に関するもの以外」はすべて自分で稼いだ。当時の我が家はそれほど貧乏でもなかったが、それでも親に負担をかけないようにしようという意識は常にあったので、苦痛でもなんでもなかった。稼いだ中でやりくりし、奨学金ももらっていたので、なんとかなったのである。

 そんな話をしようかと思って思い留まった。何か嫌味的になるかもしれないし、自慢話になるだろう。その場で話したところで息子の心に何か響くかと言われれば、そうではないように思う。ただ、そういう自分の学生時代の考え方ややってきたことは、どこかのタイミングで話したいとは思う。面白いもので、息子には話したいが、娘にはどちらでもいい。息子にはそういう考え方をどこかで持ってほしいという思いがあるのも事実である。

 親としては、月に4,000円のこずかいを惜しむ気持ちはない。大学に入ったらさすがに値上げしないといけないだろうが、それが10,000~20,000円だとしても家計が苦しくなるわけではない。だが、アルバイトをして稼ぐということはしてもらいたいし、現役女子大生の娘もそうしている。それは単に「こずかい稼ぎ」という意味だけではなく、働くという事を通して社会の中で就業体験をしてもらいたいと思うからである。

 アルバイト経験は、いろいろな仕事をするいいチャンスである。私は基本的に体を動かして稼ぐ仕事が好きだったから、工事現場系の仕事を好んだものである。特に防水工事の仕事は、朝から職人さんたちと現場に行き、1日働いて帰りに7,000円とかをもらっていたのだが、非常に充実したバイトであった。生涯にわたってずっと続けたいとは思わなかったが、やって良かったと思っている。アルバイトは是非とも経験すべき事であると思う。

 基本的にこずかいは「与えられるもの」。増やそうと思ったら、息子の友達のように母親に(財布を握っているのはやはり母親なのだろう)頼まないといけない。そこにはどうしても、頭を下げて相手に依存する形になってしまう。私はもともと独立心旺盛だったので、高校生からこずかいは自分で稼ぐという事をしてきた。それはいまでもそうである。毎月給料からもらうこずかいだけではとうていやっていけない。かと言って、妻と値上げ交渉しても分が悪い。ならば自分で稼ぐしかない。そうして今も独自にこずかいを稼いでいる。

 息子にそうしろと言うつもりはないが、「こずかいがほしければ自分で稼ぐ」という考え方は持ってもらいたいと思う。私の今のこずかいは妻には内緒だが、それを隠しつつ、そのうちそういう考え方を伝えたいと思うのである・・・

milldesignによるPixabayからの画像

【本日の読書】

  






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