2010年3月3日水曜日
このままでいいのだろうか?
上巳(旧暦三月最初の巳の日)のころに咲く桃は、安産や強い生命力の象徴とされ、中国ではその実を不老長寿の仙薬とする伝説もあり、さらに魔を祓う力もあるとされていた。ちなみに昔の桃太郎の話は、老夫婦が桃を食べて若返り、子供を授かるという話だったそうである。
雛壇に嫁入り道具一式が添えられるのは、我が娘が健やかに美しく育ち、良縁に恵まれるようにとの親の願いが込められており、生命力の象徴とされ、魔除けの力があるとされる桃の花を添えるのも、我が子を思う心なればこそだったという・・・
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2010年度の予算案が決まった。歳出が92兆円。子供手当てだとか高校や高速道路無償化だとかが注目され、「ばら撒き」との批判もされている。ただ今の経済の状況からするとばら撒きもやむを得ないと思う。
「ばら撒き」を批判する新聞の記事は目にするが、例によって「ではどうすればよいのか?」については書かれていない。今は経済が勢いよく収縮している。それを止めるには「薪」をどんどんくべないといけない。そのための「撒き」なのだし、アメリカも派手にやっている(それ=米国債=を日本に買わせようとしているところが気に食わないところだ・・・)。
エコポイントだ、エコカー減税だ、子供手当てだとやって、そのあとどうなるかだ。家電も車も一巡りしたら売上はがくんと落ちる。そこでまた振り出しになんて事になったら、目も当てられない。うまく軌道に乗るのだろうか。
怖いのは借金だ。銀行員という仕事柄、借金の怖さは身に沁みている。歳出92兆円に対して、税収は37兆円。その他を入れても48兆円。なんと歳入の2倍の歳出だ。足りない分は全部借金だ。
溜まり溜まった借金は1,000兆円に届こうとしている。よくたとえられるが、年収4百万円の人が1億円の借金を抱えているのと同じだ。考えるだに恐ろしい。新聞も世間もそれに対して批判はするが、ではどうしたら無駄な歳出を減らせるのか、と言った議論は出てこない。「政府が悪い」という風潮が諸悪の根源のような気がする。
本当は自分たちの国だし、自分たちのお金だ。「これは無駄だからやめた方がいいのではないか」という声があちこちから聞えてきて当然なのだ。払うべき税金はなんとか1円でも少なくしようと知恵を絞るわりには、もらうものは真っ先にもらう、人の金だから使って当然だし、痛みも感じない。そんな結果が1,000兆円と言ったら言い過ぎだろうか。
政府が悪いと批判しても始まらない。自分に何ができると諦めるのもいかがなものか。少なくとも何かないかと周りを見渡すぐらいの気持ちは持っていたいと思うのである・・・
【本日の読書】
「筆談ホステス」斉藤里恵
「再生」石田衣良
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