2026年4月12日日曜日

合同入社式

 今年も4月1日、我が社に新入社員が入社した。実は4年半前に我が社に転職してきて最初に驚いたのが、新卒社員を採用しているということであった。それは現在まで毎年続いている。驚くことに、それは我が社だけのことではなく、我が社より規模の小さな企業でも意外に広く新卒採用が行われている。もっとも、我が国では全企業に占める中小企業の割合は99.7%と言われている。大企業ばかりが新卒採用を行なっている訳では当然ないと認識していたが、社員数100名未満(中には10数名)の企業でも実施しているというのは意外だったのである。

 と言っても、やはりなかなか知名度もない我が社のような企業では首都圏での新卒採用というわけにもいかず、地方採用が多い。あとは専門学校である。首都圏の大学生はなかなかハードルが高い。特に我が社のようなIT企業では人材不足が顕著であり、競争も激しい。それでも人材を求めるとなると、どうしても地方になり、大学生より下ということになる。さらに単独でとなると難しいところもあり、同業者で構成する組織で共同して行うということもしている。そして内定が決まると、合同の入社式ということもやっている。

 そんな合同入社式に、毎年100名前後の参加企業の新入社員が集まり、合同の入社式とそれに続く研修を行なっている。企業によっては、新入社員が1名というところもあるが、合同でやると100名前後の同じ新入社員が参加し、来賓も招いてそれらしい雰囲気のものになる。我が社も社内だけで入社式をやったが、規模の違いは雰囲気の違いとなって現れる。とある参加企業の社長さんは、やはり新卒採用は1名だけで、それゆえにこういう雰囲気の入社式に新入社員を参加させたかったと語っていた。社員に対する愛情のこもったしみじみとした言葉で、好感を持った。

 ビジネスマナー研修などは、何人かいた方がやりやすい。名刺交換や電話応対、来客時のお茶出しなど、何人かでグループを作り役割を交互に変えてロールプレイングをした。今の時代、「お茶出しは女性の仕事」ということはなく、男もお盆の持ち方やお茶出しの作法を学んでいた。もっとも、コロナ以降急須に茶碗ではなく、ペットボトルになっているところも多い。名刺交換などは、見ていると自分がやっている作法は間違いではないと当たり前ながら思う。今では意識することなくやっていて、改めて言葉で説明しろと言われても一瞬戸惑ってまうが、自転車の乗り方と同様、体で覚えてしまっているのだろう。

 他社の新入社員同士で知り合うのもいい機会。改めて自己紹介で自分の会社のことを話したりするのを聞いていても、どこか誇らしげな雰囲気が漂う。たぶん、まだよく自分の会社のこともよくわかっていないと思うが、他人に説明することによって、「我が社」という意識も芽生えるのだと思う。私の場合、銀行だったから入社式はもちろん単独で330名ぐらい同期がいたと記憶している。あまり覚えていないが、あれが当たり前という感覚でなんの疑問も抱かなかったが、我が社の事情と比較してみると、いろいろな面で恵まれていたのがわかる。

 当たり前だが、中小企業も含めれば今は十分な就職先があると思う。よほど本人に問題がない限り「就職できない」ということはないだろう。ただ、やっぱり大企業の方がネームバリューも高いし、給料も福利厚生もいいだろうと思う。そこは仕方ない。ただ、中小企業に入社した以上、そこで頑張ってほしいと思う。間違いなく言えることは、何百人も採用する大企業と比べ、数人規模の中小企業では社長の新入社員に対する愛情は深いと思う。簡単に辞められても困るので、じっくりと社内で育成するに違いない。我が社もそうである。

 彼らが、5年後、10年後にどんな若手に育っているのか、楽しみでもある。彼らを後悔させないように、私も微力を尽くしたいと思うのである・・・






【今週の読書】
 全体主義の起原2 新版――帝国主義 全体主義の起原 新版 - ハンナ・アーレント, 大島通義, 大島かおり 介護未満の父に起きたこと(新潮新書) - ジェーン・スー C線上のアリア - 湊 かなえ 万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~ - デヴィッド・グレーバー, デヴィッド・ウェングロウ, 酒井 隆史




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