2020年6月11日木曜日

受験は3回まで

よく国家試験を何年にもわたって受験している(なかなか受からない)という話を聞く。その昔は司法試験浪人の話などはよく聞いたものである。何年も受け続けるというのは、根気のいることだと思う。私の場合、せいぜいが3年くらいだと思う。これまでに大学受験で2回目、宅建でも2回目、昨年取得したマンション管理士の資格は3回目でなんとか目的を達成したが、これまで4回以上チャレンジした経験はない。それはその前に受かっているということもあるが、それ以上無駄なことはしたくないという考えもある。

宅建でも受験10年目などという話を聞くが、私の場合、そこまでの根性はない。そもそもであるが、当然1回で合格を目指して受験するわけであるが、それなりに過去問を解いたり、傾向と対策を押さえたりして臨むわけである。そこでダメとなった場合、「ではどうすれば受かるのか」と考え、それを実行する。それが適切に分析できて、対応が取れれば2回目で合格できるわけである。

不動産業界に転職して宅建が必要となった時も同様。実は銀行に就職してすぐの年に自己研鑽で宅建を受けたことがあるが(残念ながら不合格)、なんとなく自己流で行けるかと思って教材をそろえてチャレンジ。ところが意に反して不合格。社内の合格者に聞いたところ、みんな学校に行ったとのこと。大学受験の宅浪時から自己流を貫いてきたが、背に腹は代えられず、また問題も予想外に難しかったので、通信講座を利用した。これが正解。2年目も独学にこだわっていたら多分落ちていたと思う。

この経験を基にマンション管理士の試験は最初から通信講座を使ったが、最初の年は不合格。自分なりに敗因を分析して2回目のチャレンジをしたがまたも不合格。この時点でほぼ9割くらいやるべきことはやり尽くしたと思っていたので、これ以上どうすればよいかわからない状態だった。それでも残り1割を埋めて3回目のチャレンジに臨んだが、これで落ちたらもうやめようと決意し、周囲にもそう公言していた。それ以上続けても受かるとは思えなかったのである。

根性がないというよりも、打つ手のない負ける戦に臨むのが嫌だったというのもある。毎日勉強するのにも疲れたし、勝てる見込みのないままダラダラと惰性で受験するのは性に合わない。もちろん、3回目で次なら勝てそうだという光明が見えたのなら話は別であるが、そうでなければやめるだろう。というか、3回かかっても受からないならもうダメなのである。「根性だけで合格できるなら世話はない」のである。

少なくともチャレンジが3回目になった時、それまでの2回の敗戦理由をよく分析できているのだろうかと思う。
「なぜダメだったのか」「どうすれば受かるのか」
その最初の分析が何より重要である。「ああダメだったか」とまた同じように勉強して同じように受験すれば、当然同じように不合格になる。そして敗因の分析など2回受験すればやり尽くすように思う。毎回毎回敗因が異なるというのなら、それはそもそも敗因分析が不十分だということ。合格者にアドバイスをもらうとか、学校に通う(そこでアドバイスを受ける)とか、何らかの手があるはずで、それをやっていれば3回でやり尽くすはずである。

 世の中にはどんな試験でも必ず受かるというものでもない。受験生みんなが東大に入れるわけではないし、みんなが司法試験に受かるわけでもない。自分は果たして受かるのかどうかの見極めは必要である。それが私は「受験3回」だと思う。「3回受験して受からないならやめた方が良い」と私は考える。「受かるかもしれない」と考えてダラダラ何回も受験を繰り返す人については、それは個人の自由であるが、とてもリスペクトはできない。そもそも徹底的にやっていれば、疲弊して続けられなくなるはず。ダラダラ続けられるというのは、徹底的に「やっていない証拠」に他ならない。

 たとえるなら、資格試験の類は短距離走だと思う。当然、「全力疾走」が必要であり、入賞できるのは上位何人かである。マラソンのペースでは走り続けることはできるだろうが、入賞はできない。逆に全力疾走していれば何回も続けて走れない。何回も走れるということは全力疾走していない証であり、それゆえに受かるはずもない。2回目の大学受験の時も3回目のマンション管理士の試験の時も、「これ以上はもう無理」だと思うところまでやった。だから落ちたらすっぱり諦めようと思ったし、それで未練など残らなかっただろう。

 何年も受験をダラダラし続ける人は、受験そのものが趣味だと言われればそれは好き好きだからとやかくは言わないが、変わった趣味だなと思うだけである。まぁ、「101回目のプロポーズ」の例もあるから粘ることも必要かもしれない。自分自身、恋愛経験では粘り切れなくて大きな失敗をしたのも事実である。あくまでも「試験に限って」ということに限定した意見としたいと思うのである・・・


paula bassiによるPixabayからの画像 
【本日の読書】
 




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