GWも家にこもり、週末も家にこもりの生活がもう1ヶ月以上。それなりに満喫はしているが、やはりラグビーの練習ができないのが大きなストレスである。世間ではいよいよ10万円の給付金申請受付がスタートし、早速オンラインで手続き。1人10万円で、我が家は4人家族につき40万円。ありがたいので素直に受け取らせていただくが、「何故に?」という疑問は残る。給料は確保できているし、家ごもりの不自由はあるが、金銭的には困っていない。困っているところに集中すべきだと客観的には思う。
この騒動で本当に困っているのは、飲食店(特に居酒屋系)をはじめとする小売店や宿泊施設、娯楽施設などの事業主体だろう。休業で収入がなくなるが、従業員に対する給料は払わないといけない。残業代が減る社員もそれなりに大変だろうが、事業主は資金繰りで頭が痛いだろうと思う。行政も支援策を出しているが、内容的にはもう一工夫できるのではないかと思う。資金繰りには「融資」も有効だが返済をしないといけない。むしろかつてのような「返済猶予」を金融機関に要請し、無条件でできるようにした方がお金も使わなくていいように思う。
我が家はルール通りに生活できていると思う。妻も1人で買い物に行っている。ただ、スーパーに買い物に行って帰ってくると、どこかの家族が3人で買い物に来ていたと気色ばむ。「老夫婦ならまだわかるが、子供連れの若い夫婦は信じられん」と言う。「買い物は極力1人で」と呼びかけられており、いろいろと言い分はあるのかもしれないが、ルールからは外れている。なんとなくそこまで真剣にルールを守ろうという意識はないのかもしれない。どこか他人事に考えている人たちも当然いるだろう。
家にいるのも飽きるので、ちょっとした用事も兼ねて散歩に出かける。歩いている人はかなりいる。もちろん、自分もその1人だし、他の人も散歩や日常の買い物なのかもしれない。夫婦2人で、あるいは家族であっても散歩ならいいだろうし、誰がルールを守っているのか、あるいはいないのかはわからない。マスクをしていない人も目につく。店舗に目をやれば開いているところもあるし、休業中のところもある。ショッピングセンター内の店舗の休業はやむを得ないだろうが、路面店などは微妙だ。飲食店など一斉に休業されたら困るし、かと言ってそれが居酒屋である必要はない。
ネットニュースを見ていると、苦しい中、「ルールを守って」営業している店舗に対し、それを批判して嫌がらせをする「自粛ポリス」なるものが横行しているという。自分で見ていても、この店は開ける必要があるのかと思うものもあるが、小さな店舗なら別にいいようにも思う。自粛ポリスの活動も、わからなくもない。根底にあるのは正義感。「こういう事態なんだからみんなでルールを守って生活するべきだろう」という意見には同意する。ただし、それが行き過ぎるのは当然問題である。
自粛ポリスの標的になった店舗には、「ルールを守っている」ところもあるという。それを知らないのか、あるいは知っていても自粛すべきだと考えているのか。無知な前者はもちろん、勝手にルールを拡大解釈する後者も問題である。自分たちは正義感に溢れているのかもしれないが、歪んだ正義感ほどタチの悪いものはない。「正義であれば何をやってもいい」という大いなる勘違いは是正されないといけない。
戦前は、こうした「歪んだ正義」が陸軍の暴走につながっている。何かあれば「正義の鉄槌」を下しても構わないという理屈は5・15事件や2・26事件につながり、やがて怖くて自由にモノが言えなくなる。ルールを守らない人たちには確かに腹立たしいところはあるが、それはソフトにわかってもらう方法を考えないといけない。自粛ポリスも結構だが、抗議をしたいのなら堂々と名乗って意見表明すればいいと思う。そこで実はルール内だということもわかるかもしれない。
そう考えれば、腹立たしくとも家に帰って来てから家族にそれを話している程度であればなんの問題もない。そういう親の態度によって、家族内でも遵法意識が育まれるかもしれない。テレビでも政府の曖昧な対応を批判する意見を聞く。だが、前例のないこの事態にキッチリ決めてなんでもやれるわけがない。事態の推移に合わせて柔軟に対応せざるを得ないところもあるだろうし、何でもかんでも決めて行動できるものでもない。底の浅い批判には、テレビに出るならもう少し勉強すべきだろうにと密かに思う。
食事の時、そんなことを考えてそんな番組を観ていたら、中学3年の息子が「安倍総理はよくやっている」と偉そうに語った。中学3年ともなればそんな意見の1つや2つ持っていてもおかしくはない。安倍総理を支持しようが批判しようが自由だが、そういう意見を持っているということを知ってちょっと嬉しく思う。世の中のことをいろいろと考えるには、今回の事態もいい経験だろうと思う。
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