銀行員時代、お世話になったある支店長が、着任時にこれからみんなに意識してほしいこととして3つのことを挙げられた。1つは「スピード、スピード、スピード」であり、とにかく早くやることだった。残り2つは残念ながら忘れてしまった。その時、自分もいつか支店を任されるようになったら、どういうことを挙げるだろうかと漠然と考えた。それまでに決めておこうと。
結局、そういう機会はなく今日まで来てしまったが、今だったらなんという言葉を使うだろうかと考えてみた。それは次の3つになるだろう。
1.情熱:Passion
2.創意工夫(考える):Thinking
3.スピード(すぐにやる):Speed
1の情熱には、以前にも書いた通りであるが、これがすべての基礎と言えるだろう。逆にこれがなければ「2」も「3」も生まれてこない。仕事が辛いと感じるか否かの差もここから生じると思う。
2の創意工夫については、言い換えれば「考える」ということに尽きる。1の土台の上に成り立つが、ただ闇雲にやればいいというものではない。同じやるにしても少しでも効率的なやり方はないかとか、効果的なやり方はないかとか、目的を成し遂げるためには必ず必要になる。サラリーマンで多い「指示待ち族」にはこれが決定的に欠けている。自分でも常に意識していることだし、仕事を「やらされてやる」のではなく、「自分からやる」にはこれが必要である。
そしてスピードは、先の支店長にうるさく言われ、自分でも大事だと実感したから唯一覚えていることである。転職してまず感じたのが、「この会社にはスピード感がない」ということ。銀行員時代は、恐竜が如く何をするにしても意思決定が遅かった。新しいことをやろうとすれば、説明とハンコがたくさん必要だった。中小企業なら即断即決で(動こうと思えば)動ける。されど、動きが鈍い。
それは普段からの意識にもよるだろう。常にアンテナを張って意識していれば、それに引っ掛かってくればすぐに動ける。人間は基本的に保守的だから、新しい事態に直面するとどうしても動きが固まる。迷いも出る。すぐに決めなくてもそのうちいいアイディアが浮かんだりするかもしれないと思ったり、時間を置くことで慎重に考えている気分になれるのかもしれない。だが、大半はただ決断が下せないだけというケースがほとんどである気がする。
考えるに慎重になるのは悪いことではない。それは大いに推奨されるべきであるが、迷うにしても判断を下すのに何が必要なのかを見極め、すぐにそれを潰すべく動くなら問題はない。問題なのは、その場でグズグズしていることである。何と何が分かればすぐに判断が下せるというならすぐその情報を集めればいい。すぐに情報を集めてすぐに決断を下せば良い。間違えたと思ったらすぐに撤回してやり直せばいい。そのスピード感が大事だと思うが、時間をかけると何か慎重に考えた気分になれるのかもしれない。
今の自分だったら、この3つをキーワードとして部下に意識させるだろう。何事につけても事あるごとに言って聞かせていれば自然と身について来るだろう。いつも思っているのは、スポーツも仕事もチームプレーということでは同じだと思う。目標を設定したら、それに対してどう取り組むか。それにはこの3つが必要であるとつくづく思う。
今頑張っていれば、いずれ社員も増えていくだろう。その時に、このキーワードを意識してチームプレーができる組織になっていたらいいなぁと夢想するのである・・・
【今週の読書】
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