2018年2月11日日曜日

あるセールスの電話を受けて


先日、仕事中に電話を取っていた時のことだ。「東京電力の検針の件ですが・・・」という電話を受けた。担当がいなかったので代わりに聞くと、「検針票を見て欲しい」と言う。何かミスでもあったかと探そうとしたら、我が社の入っているビルは管理会社が一括して対応していると判明。それを説明した途端、電話が切れた。なんの言葉もなく。一瞬、誤って切ってしまったのかと思ったが、やがてセールスの電話だったと気がついた。管理会社が管理しているなら話しても無駄だとわかり電話を切ったのだろう。あまりの出来事に呆れて腹も立たなかった。

中小企業に転職以来、セールスの電話をよく受ける。それはそれでいいのだが、中には詐欺まがいのものがある。別の電話では、「インターネット回線の更新の件なのですが・・・」と言うが、相手の社名に心当たりがない。突っ込んで追求すると「セールスです」と認めた。それならそうとわかるように説明しないとと思うのだが、そうすると断られるからいかにも今利用しているもののように装うのだろう。

しかし、当たり前だが、そんなことで誤魔化せるのは入り口だけである。それと分かれば同じこと。それよりセールスならセールスで、工夫をすれば相手の懐に飛び込んで契約を勝ち取るのも困難ではない。事実、私もそう言うセールスを受けて契約したものがいくつもある。適切なセールスは無駄ではないのである。では、なぜそう言うセールスをせず詐欺まがいの話法で電話をして来るのだろうと考えてみると、一言で言えば「門前払いばかりだから」であろう。

相手も競争の中で一生懸命なのだろうが、闇雲に電話をすればいいと言うものではないだろう。創意工夫がなければ無駄だろう。下手な鉄砲をいくら撃ったところで当たる確率は限りなくゼロに近いだろう。社長も「やれ」と言うだけで具体的な指示などできていないのだろうし、電話をかけて来る営業マンも輪をかけて工夫もなく電話をするだけ。断られてばかりなので、断られないように「誤魔化し話法」を取るのだろう。そんなのでたとえ入り口は誤魔化せたとしてもそのあとダメになるのではないかと思うのだが、世の中はそれでも契約してしまう人がいるのだろうかと思ってしまう。

もう少しまともなセールスができないと、会社の業績も上がらないだろうと思うのだが、だから業績も上がらないのかもしれない。上はただ馬鹿みたいに「やれ」と言うだけ。そしてそんな会社にしか入れない社員に創意工夫などできるわけもなく、成果も上がらない。門前払いが続けば精神的にもキツイから電話だってダメと分かれば何も言わずに切る。そんな会社の提供するサービスがいいものであるわけもない。

今はナンバーディスプレイがあるから相手の電話番号がわかる。電話を切られてからディスプレイに残っていた番号をググって見たら、同じような「被害者」の怒りの口コミに溢れていた。当然、そんな会社のホームページなんてあるわけがない。そう言う会社がろくな会社であるはずもなく、社員だってろくな社員ではないのだろう。そんな会社の社内を想像してみるに、かなり荒んだもののような気がする。一度見学してみたいものである。

そう言う会社でしか働けないのは気の毒な気もするし、一方でどんな仕事でも熱意と創意工夫とがあればいくらでもいい仕事はできるはずという自分の信念もある。結局、そういう仕事しかできない人がトップに立ち、そういう会社にしか入れない人が入社して、社会の迷惑となるような仕事しかできない会社になっているのだろう。もって他山の石とするにも至らないレベルである。

今度そんな電話がかかってきたら、やり方を教えてあげようかとも思う。心ある者なら耳を傾けてくれるかもしれないが、そこで耳を傾けて来るぐらいならそもそもそんな詐欺話法を平気で使わないかとも思う。
まぁくだらないことを考えていても仕方ない。そういう電話に心を乱されることなく、業務に専心したいと思うのである・・・





【今週の読書】


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