2017年7月2日日曜日

公私混同はどこまで

 自民党の金子恵美総務政務官が、子供の保育所への送り迎えに公用車を使用した件について、いろいろなところで議論が交わされている。賛否両論あって、テレビなどの一般インタビューでは「如何なものか」という意見が多く目についた。前大阪市長の橋下徹氏と元宮崎県知事の東国原英夫氏がTwitter上で交わしている意見などは、さすがに一段高いレベルのところの議論で、それぞれもっともな意見である。

個人的には問題ないと思っているのだが、何でも鬼の首を取ったかのごとく問題視する野党もさすがにここは批判を避けているようで、辞任要求も出ていないようである。これに関して思うのは、「公私の線引き」である。事の大小は別として、みんな同じようなことはあると思う。例えばサラリーマンなどは、交通費がある。通勤定期券は、本来「通勤」専用であるはずだが、休みの日に外出する際利用する人は普通にいるだろう。

また、通勤に自家用車を利用し、通勤費としてガソリン代の支給を受けている人もいる。厳密に規定されている会社でなければ、私用分を請求されてもわからないし、自営業者などではそもそも自家用車を「事業用」として税務申告して控除を受けているケースもある。これら諸々を厳密に分けて管理するのは難しい。個人としては、多少の「ズル」はいいだろうと思っている。

例えば我が社では、交通費は「申告制」である。基本的に使った分をまとめて申告してもらい、SuicaPASMOにチャージして利用している。私は両方使っているが、もちろんそれらは「私用」でも使っている。だから「公用」分はきちんと記録して精算の時に提出している。今の所、そんなやり方をしているのは私1人。他の社員はどうしているかわからない。だが、そこまできっちりやるのも窮屈だろうと思って「自主申告」に任せている。

本来、こういうことは厳密に分けてやるべきものだろう。「なあなあ」は良くないと思う。ただ、何でも厳密にきっちりやるというのも窮屈だし、そこは「バッファー」があってもいいと思う。金子議員の公用車利用も、実態をよく知らないし程度にもよるだろうが、聞こえてくる範囲内では、そのくらいは認められてもいいように思う。

それより何より重要なのは、やはり「仕事をきちんとする」という一言に尽きるのではないかと思う。議員さんもそうだし、我が社でもそうである。普段、きちんと仕事してくれているのなら、そのあたり多少の私用に流用することがあってもいいと思う。自分はきっちりやっているが、休みの日でも仕事の対応をしているし、人一倍働いている自負があるので多少公私混同があっても何ら後ろめたいことはない。

「実績次第で好き放題」というのはいかがかと思うが、ある程度のバッファーはあっても良いというのが自分の考え。金子議員の件もその範囲内。我が社の社員の交通費も厳密に精査するつもりは毛頭ない。窮屈さを感じることなく、きちんと仕事をしてもらえるならそこは自主性に任せても問題はない。みんなが楽しく働けるならそれが一番。議員さんがきちんと国民のために仕事をしてくれるならそれが一番。何でもかんでも厳密に窮屈におかしいと言い立てればいいというものではない。

週刊新潮は、雑誌の売り上げのために鬼の首をとったつもりなのかもしれないが(まぁ所詮、週刊誌だから目くじら立てる必要もないかもしれないが)、記事については冷ややかに眺めるにとどめておきたいと思う。世の中的にはともかくとして、我が社内では大きな視点で見ていきたいと思うのである・・・





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