2016年4月20日水曜日

マネージャー

この春から都立高校へ通っている我が娘。父親として関心を持っていたのは、部活動。いったい何をやるのだろうと興味津々であった。娘はそんなに運動神経もよくないし、運動と言えば水泳が何とか人並み程度にこなせるという感じであった。中学の時は文科系の部活動であったから、その延長かとも想像していた。ところが、選んできたのが某運動部のマネージャー。さすがにちょっとびっくりした。 

意外であったのはもちろんであるが、ちょっとがっかりしたのも事実だ。何となく、女子マネという役割に重きを置いていなかったからかもしれない。運動部での主役はあくまでも選手である。マネージャーはどんなに頑張っても主役にはなりえず裏方だ。そんな意識も根底にはある。だけど、よくよく考えてみると、それは己の古い感覚かもしれないとも思う。

私がラグビー部に所属して青春の汗をながしていたのは、もうかれこれ30年以上前になる。当時は女子マネと言えば、「お飾り」に近かった。なってもらえるだけでありがたく、雑用なんてやらせて辞められても困るという意識だ。当然、小汚いジャージの洗濯などもってのほかだ。それは大学でも同様で、隣の女子大から来てもらっていた女子マネは、試合の時にレモンを切ってきてもらうぐらいが主な仕事だった。居てくれるだけでいいいなんて言いながらも、他大学のラグビー部の女子マネが美人だったりすると、うらやましくて仕方なかったものである。

ところが、今は我が母校の大学でも時代は変わった。今や他大学から来ている女子マネなど皆無で、すべて同じ大学の学生だ(まぁ女子の入学率が上がったという背景もある)。そして練習前に勢ぞろいし、練習用具の準備をし、練習が始まればグラウンドに立って練習のサポートをする。選手にテーピングを施し、チームジャージの洗濯をし、備品を管理する。おそろいのウィンドブレーカーを着た女子マネ軍団は、「お飾り」とは程遠く、「試合に出る」こと以外のすべてをこなしていると言っても過言ではない。「16人目の選手」ともいえる働きで、選手と一体になっている。

そんな姿を目の当たりにすると、もう現役の選手がうらやましくて仕方ない。土のグラウンドは今や人口芝に変わり、女子マネ軍団の手厚いサポートがあり、こんな環境でラグビーをやれるなんて、実に恵まれている。もう一度学生時代に戻ってラグビー部に入部したいとつくづく思うほどである。

さて、そう考えると、娘のマネージャーというのも案外面白いかもしれないと思う。今のマネージャーの仕事を分析してみて、「試合に出る」以外の部分でやれることをやっていったらかなり活躍できるかもしれない。「ドラッカーを読め」なんて言うつもりはないが、どうせやるなら、「最高のマネージャー」と称賛されるくらいは目指してほしいと思うのである。何事もそうであるが、「ものはやりよう」である。


娘がどこまでパパのアドバイスに耳を傾けてくれるかどうかはわからないが、せっかくの人生経験を伝えられたらと思うところである・・・


【本日の読書】
  
    

0 件のコメント:

コメントを投稿