平日は、一人でゆっくり湯船につかるが、週末は息子と一緒に風呂に入るようにしている。風呂というところは、誰かと入るには良い空間だと思っている。と言っても、妻はもう頼んでも一緒に入ってくれないし、中学生となった娘と入るわけにもいかない。すると、もう我が家には一緒に入る相手は息子しかいないので、必然的に「誰かと」とは「息子と」と言う事になるのである。
一緒に風呂に入ると親子の会話が始る。会話というより、「問答」であろうか。息子なりに興味を持ち、その時その時で疑問に思う事を聞いてくる。ニュースを見聞きして、聞きかじった事を聞いてくる事もある。「テロって何?何で起こるの?」そうした問いに答えるのもまた喜ばしい。
先週末は日露戦争の話題となった。歴史漫画に出てきたらしい。我が家の風呂には世界地図と日本地図が貼ってある。長女が物心ついた時に買ってきて貼ってあるお風呂用の地図である。広大な土地があるものの、寒い土地が大半で、不凍港が欲しかったロシア。地図の西側での南下は、クリミア戦争となってイギリスに阻まれ、地図の東側で朝鮮半島目がけて南下してきて、日本と対立。一緒に地図を見ながらの解説。
「そーなんだ」という歴史漫画を購読し、すっかり歴史好きになった我が息子、こういう話には食い付きがいい。旅順攻略や日本海海戦などで勝利したものの、結局国力の限界で「判定勝ち」とならざるを得なかったが、「アジアの国々に与えた影響は大きかったんだよ」などと語って聞かせる。
その昔、小学校低学年の頃、担任の先生がよくクラスのみんなに野口英世の話をしてくれた。一度で飽き足らず、みんなで機会あるごとに野口英世の話をしてくれとせがんだものである。ストーリーがわかっていようと関係なく、こうして何かを語ってもらうのを聞くというのは、子供には楽しいものだと思う。日露戦争の話に、息子が目をキラキラさせて聞き入っていたのも頷ける。
その昔、「坂の上の雲」を読んでおいて良かったと思う。息子とそういう話をするのに、何も風呂でなくても良いとは思う。ただ、どういうわけか、風呂には何か特別な雰囲気がある。たぶん、閉ざされた空間だし、湯船に二人で浸かっていれば当然密着しているし、気を紛らわせるテレビも何もない。必然的に相手の話がすべてとなる。そんなところが良いのかもしれない。
週末ともなれば、「パパ一緒にお風呂入ろう」と言ってくる。いつまで続くかわからないが、親子の貴重なお話しタイムの場として、これからもバスタイムは大切にしておきたいところである。今度はどんな話をしようか。
「永遠の0」の映画も公開されているし、次回はこれだろうかと思ってみたりするのである・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿