2013年12月27日金曜日

フィギュアスケート

 先週末、我が家の夕食の席では珍しくテレビがついていた。基本的に我が家では、食事の時はテレビをつけないのがルールである。だが、たまに例外もある。どうしても見たい番組がある場合で、先週末はそれが妻の希望する「フィギュア・スケート」であった。ソチオリンピックの選考会も兼ねた全日本選手権が開催され、妻はそれに夢中になっていたのである。

 何となくその場の雰囲気でみんなで観ていたが、考えてみればこの“スポーツ”も不思議だと思う。そもそも“スポーツ”なのだろうか。まぁ、オリンピック種目だし、採点をして点数を競うので、やっぱり“スポーツ”なのだろう。“スポーツ”には違いないのだろうが、ただ観ている立場からすると、氷上バレエという気がする。だが、バレエは“スポーツ”ではない。見せて楽しませる“芸術”であり、採点をして点数を競うというものではない。まさに「似て非なるもの」と言えるだろう。

 さて、“スポーツ”と言ってはみたものの、このスポーツはわかりやすくて実にわかりにくい。何がわかりにくいかと言えば、優勝劣敗だ。素人目には、誰が勝ったか負けたかはわからない。終わって採点の結果が表示されて、はじめて結果がわかる。こういうスポーツも珍しい。

 我がラグビーも、よく人から「ルールがわかりにくい」と言われる。だが、「ボールを前に投げてはいけない」というルールはよく知られているし、難しい反則はレフリーを見ていれば「何か反則があった」とわかるだけで十分だし、何よりトライという明らかな結果は素人でもよくわかる。

 されど、フィギュアの場合、ジャンプやスピンや一時有名になった「イナバウアー」などが技術として採点されるのだろうということはわかっても、では「今のが何点か」となったらわからない。さらにショートプログラムとフリーとに分かれているが、何がどう違うのかわからない。いきなりテレビをつけて、フィギュアをやっていたとして、それを見てそれがショートかフリーかを果たしてみんなわかるのだろうか。

 こんなにわかりにくいスポーツのどこがいいのだろうか。その答えは、観ていればわかる。やっぱり観ていて、特に女子の演技は優雅でいいなぁと素直に思う。特に浅田真央は、トリプルアクセルがどうのこうのと言われているが、個人的にはくるくる回るスピン系の演技に見惚れてしまう。バレエでは表現できない“美しさ”のようなものを感じる。いつの間にか、つられて観入ってしまっていた。

 そうして振り返ってみると、いいなぁと思ったのは華麗かつ優雅な氷上の演技であり、ジャンプの技術がうんぬんではない。スポーツなのに、スポーツの要素では心が動かず、見事な舞いという芸術的な要素にテレビの前に釘付けになっていた。
まぁスポーツであろうがなかろうが、あまり観るのには関係がない。ソチの大舞台では、日本勢の活躍はどうだろうか。ちょっと冬季オリンピックに楽しみができたなと思うのである・・・





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