2013年5月19日日曜日

結婚の形

 いつも拝見しているブログ「Chikirinの日記」に、<婚外子の比率の変化>という数字が示されていた。これは、「全出生数に占める、婚外子の出生数比率」、すなわち「結婚していない母親から生まれた子供の比率」の国際比較である。「Chikirinの日記」の趣旨とは離れてしまうが、この数字を見ていていろいろと考えてしまった。

スウェーデン  39.7% → 54.7%
フランス    11.4% → 52.6%
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イギリス    11.5% → 43.7%
オランダ    4.1% → 41.2%
米国      18.4% → 40.5%
ドイツ     15.1% → 32.1%
スペイン    3.9% → 31.7%
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カナダ     12.8% → 27.3%
イタリア    4.3% → 17.7%
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日本      0.8% → 2.1%

 この表を単純に見ると、スウェーデンやフランスでは、子供二人のうち一人は未婚の母、今風に言えばシングルマザーの子供であるという事である。日本の感覚から言うと、想像するのは難しい。

 もっともよくよく定義を確認すると、「結婚していない母親」とあるだけで、「未婚の母」ではあるけれど、「シングルマザー」ではないかもしれないと気がつく。「両親とも揃って家族で暮らしているが、両親は(法的に)結婚していない」という状況も含まれているだろうからである。そうなると感覚的には少し近くなる。

 日本でも同棲は珍しくないが、それでも同棲していて子供が出来たら、自然と結婚となるだろう。「デキ婚」という言葉がある通り、日本的感覚では、「子供ができたら結婚する」というのは若い世代でも同じだと思う。それはなんでなのだろうかと言えば、やっぱり「世間の目」と「現実の生活」なのだろう。

 今でこそ、女性の社会進出もかつてよりは進んで、「女性の幸福は結婚して子供を生んで幸せな家庭を築くこと」なんて言う人は少なくなっているだろうが、それでも「結婚しないのに子供を生んで働いている女」が良いイメージでとらえられる事はない。

 それと現実的に子供を預けて働いて、男と遜色ない収入を得ていくという事を考えると、女性には限りなくハンディがある。スウェーデンを始めとした欧米諸国には、そうした社会的・経済的ハンディがないからこその、上記の結果なのだろう。それはまた離婚率という形でも表れてくる問題だと思う。

 日本では結婚して子供ができてしまうと、女性は離婚しにくくなる。それは世間体というより、今度は経済的事情が大きくなるだろう。「子供のために我慢している」という「家庭内離婚」の話はよく聞くし、ひょっとしたら我が家もそうなのかもしれないなどと青くなってみたりもする。

 婚外子の比率が低いから、あるいは離婚率が低いから、我が国は欧米よりも夫婦仲がよい幸福な社会だなどとは言えない。「子はかすがい」という言葉が我が国にはあるが、それも古くから家庭内離婚が存在していた事を表している証拠だと思う。

 女性の社会進出が進んでより一層の経済力をつけた時、欧米のように婚外子が増えるかどうかはわからないが、子供の成長によって「かすがい効果」を喪失し、離婚率が増える事は間違いない気がする。

 動物界を見まわした時、つがいが生涯添い遂げるという種は少ないようである。人類も子孫を残す時だけつがいになり、役目を終えればそれぞれ離れ離れになるという時代が来るのであろうか。それとも法律的な結婚は意味を喪失し、単に事実婚が増えていくだけの事なのだろうか。

 自分の先行きと合わせて考えてみると、何だか複雑な気分になるのは、私だけだろうかと思うのである・・・


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