その昔、長野県の御代田という町に住む従兄弟の家に、毎年春休みと夏休みに遊びに行っていた。かれこれ35年ほど前になるが、当時従兄弟の家の周辺はと言えば、買い物には不便なところだった。何か買おうと思っても、近所にあるのは小さな店が一軒だけ。
今でもよく覚えているが、その小さな店の戸を開けて中に入ると畳の上に商品が並べてある。とりあえず日用雑貨やお菓子などが、売られているような店だった。もちろん、すべて定価である。それでも他はと言えば、30分ほど歩いて駅まで行かなければいけなかったから、大概はそこで済ませていたようである。
翻って今は便利な世の中だ。特にネットショッピング。私もよく本を買うが、Amazonでオーダーしておけば、2~3日で家に届く。あちこちで手に入れたポイントをAmazonのギフトカードに交換して使っているから、お金もそんなにかからない。すっかり愛用している。
私にとって便利な“本屋”だったが、最近遅ればせながら本以外にも品揃えがかなり多岐にわたっているのに気がついた。以前から何となく気付いてはいたが、「本屋に電球を買いに行く」ような違和感があって、あまり意識していなかったのである。
「本はAmazon、その他は楽天市場」
何となくそんな棲み分けをしていた。
ところが、気がついてみると実にいろいろな品揃え。家電からファッション、なんとスイーツまでジャンルは多岐にわたっている。先週末にラグビーの練習に行き、25年前のジャージはさすがに古臭いので買い変えようと試しに検索したら、「あった」。娘が電子辞書が欲しいと言い出したから、どんなものかと試しに検索したら、「あった」。おじさんにグローブを買ってもらった息子に、軟式ボールを買ってやろうと思って検索したら、やっぱり「あった」。
ネットショッピングも最初の頃は、直接手に取って見る事ができないから、ファッションなんかは向いていないなんて言われていたが、ジャージなんかはどんなものか大体わかるし、値段もそんなに高くないから「えいや!」で買っても後悔はしないだろう。電子辞書に至っては、「Amazon限定モデル」なんてのもあるから、下手に家電量販店に行くよりいいかもしれない。まぁさすがにボール1個なんてのは向いていないかもしれないが、モノと値段の参考にはなる。
いつも行っていた1階の本屋だが、気がついたら2階から上は百貨店だったという感じである。これだと楽天もうかうかしていられないのではないだろうか。これからは、否が応でも両者を比較してから買う事になるだろう。同じものなら価格勝負になるが、やっぱりそう大して変わりない。
するとポイントなどの付帯サービスになるが、この点では楽天カードのある楽天の方がちょっとお得感がある。買い物やアンケートで溜まったポイントが使えるから、若干有利だ。だが、先の電子辞書のように「限定商品」などがあると、Amazonも負けていない。モノによってあれこれと比較検討する事になるのだろう。
それにしても、最近ではおもちゃを始めとして、家電以外でも“リアル店舗”では家電量販店が便利な事この上ない。ネットではAmazonか楽天か。欲しいものはまず“検索”。それから、「どこで買おうかな」だろうか。
息子の軟式ボールは取りあえず近所の高田スポーツに見に行った。狭い店内に入ると、店主ご夫婦が揃ってお出迎え。他に客はいない。笑顔で要件を聞かれ、野球のボールと答えると、サイズの説明をしてくれた上で真新しいボールを箱から出してくれた。「400円です」と言われ、瞬間的に「高いな」と思ったものの、断れる状況にはなく1個買って帰ってきた。
まぁこういう商売も、まだまだあって良いと思うのである・・・
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