この映画は字幕だと教えたのだが、それでも良いと言う。そう言えば私の字幕映画デヴューは小学校6年の時の「ジョーズ」だった。娘も春から小学校6年。本人もその気だし、まあちょうどいいだろうと思ったのである。さっそく出掛けて行ったのは、地元にある映画館。もう公開も終わり間際だったが、事前に調べたらまだやっていた。ところが行ってみると、もう公開は終わっていた。がっかりする娘・・・
さてどうするか。他のを観るか諦めて帰るか。上映作品を眺めていた娘の出した結論は、「『麒麟の翼』が観たい」であった。そう言えば原作も読みたいと言っていたので、それにつながる「赤い指」を読ませたところだったから、ちょうど良かったところもある。かくして娘と二人で初めて大人の映画を観る事となった。
そもそも私が映画好きとなったのは、まぎれもなく親父の影響だ。親父は、昔家でよく水曜ロードショーやら日曜洋画劇場やらの映画番組を観ていた。大抵ナイターからの流れでそのまま観る形だ。一緒になって観ていた私も必然的に、野球好き、映画好きになったのだ。淀川長治さんや水野晴郎さんなどの名物解説者がいて、あの時代はあれで結構良かった。親父と二人で映画を観に行った事はなかったが、一緒にテレビで観ていたからこそ、私も映画が好きになったのである。
今はというと、ほとんど家でテレビを観る事のない私は、子供たちにそういう影響を与える事はできない。本は読ませているので、たぶん本好きにはなるだろう。だが、チャンネル権を持たない私が、好きな映画の録画を観るのは、たいていみんなが寝静まった週末の深夜だし、長男はまだ怪獣モノ・戦隊モノのドラマから抜けだせないし、一緒に観るという機会がこれまで持てずにいた。そういう意味では、今回の「映画デート」はなかなか良い機会だったと言える。
肝心の映画の感想はと尋ねたら、「面白かった」という返事だった。映画に出てくる「労災隠し」やら「警視庁捜査一課と所轄の関係」など、明らかに理解できていないところもあったようだが、特段問題はなかったようである。まあこういう映画で、学校では教わらない事を覚えるという事もあるだろう。
「また行きたい」と無邪気に言う娘。「次は字幕が良い」と言う。せっかく興味を持ってきている事だし、英語に対する興味も深まるかもしれないし、何より将来映画について語り合う事もあるかもしれない。親父とは違ったアプローチで、子供を映画好きにさせる事ができるかもしれないと思う。
さて、次は何が良いだろう。
「いやぁ、映画ってホントにいいですね」
かつて水野さんが言っていたセリフが、蘇ってきたのである・・・
【本日の読書】
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