2011年4月27日水曜日

ウルトラセブン

我が家の6歳になった長男は、今ウルトラマンシリーズにハマっている。昨年あたりから興味を持ち始めたのであるが、今やすっかり仮面ライダーにとって代わっている。

しかし今は新しいシリーズもないし、テレビで見る機会はなく、もっぱら雑誌などで見るだけであった。中でもお気に入りなのがウルトラセブンだったが、なんとケーブルテレビでウルトラセブンの全話がまとめて放映された。全49話をすべて録画し、長男と週末に少しずつ見て楽しんでいる。子供の頃何度も再放送を見たものであるが、大人になって改めて見てみると、また違った印象を持つものである。

第1話ではウルトラ警備隊のメンバーが紹介される。
貫禄のあったキリヤマ隊長は38歳。
思わず「若いじゃないか」と思ってしまった。私よりも8歳も若い。
もともとずんぐりしていて老け顔だから、今見てもとても30代には見えないのであるが、まあ地球防衛軍の最前線、ウルトラ警備隊の隊長として日夜宇宙人の侵略から地球を守る役目としては、考えてみれば適度な年齢だ。

アマギ、ソガ両隊員は24~25歳。
大学卒としても「若過ぎるだろう」と思ってしまうのだが、軍隊でも最前線の兵士は20歳前後だからまあいいのかもしれない。
そのソガ隊員だが、現在多岐川裕美の旦那さんだというのは、ちょっとしたトリビアだ。

ストーリーは大人になって見ると、粗が目立つ。
無理やり30分の枠に収めているからか、突っ込み所満載だ。
それはともかくとして、どきりとするようなストーリーもあったりする。
第6話「ダークゾーン」で登場するのはペガッサ星人。
高度な文明を築き、生まれた星を出て宇宙空間に都市を作って移動している。
その都市が推進機の故障で地球の軌道に入り込んでしまう。
このままだと衝突して大惨事となる。

ここで地球防衛軍は宇宙都市ペガッサの破壊を決める。
子供の頃は(我が家の息子もだ)、気にもしなかったが、これは大変な事だ。
自らが生き残るために、一つの文明を滅ぼす事は許されるのかという問題だ。
まさにサンデル教授が取り上げそうなテーマではないか。
さすがにそのまま破壊したのでは、教育上よくないと思ったのか、番組ではウルトラ警備隊が破壊する前にペガッサの人たちに地球に移住するように呼び掛ける。
(しかし結局応答がなく、破壊してしまうのである)

それを見ていて、もしも相手が応答してきて、「お言葉に甘えて」移住すると言ってきたら本当に受け入れるのか、とパパは一人でブツブツとつぶやいてしまった。
(何人来るのだ、どこに受け入れるのだ、何を食べるのだ・・・)
息子はもちろん、夢中になって見ていてそんなパパの悩みは知る由もない。

あれはウルトラホーク1号で、α号、β号、γ号に分離するんだぜ、とかカプセル怪獣は3体いるんだぜ、とかこちらも昔覚えた知識で解説してやる。
目をキラキラ輝かせて聞き入る長男に、かつての自分を思い浮かべてみる。
たぶん、ウルトラセブンだから親子一緒に見られるのだろう。
その他だと私も一緒に見るのは苦痛かもしれない。

まだまだ見始めたばかり。
これから週末はしばらく長男とテレビの前に陣取ってあれこれ話の花が咲く事だろう。
その昔テレビの前に一人座って夢中になってウルトラセブンを見ていた記憶がある。
いつか長男も大人になって同じように思い出す時がくるだろう。
その時、長男の記憶の中では隣に親父がいてくれるだろうか。
そうであれば良いだろうな、と思うのである・・・




【本日の読書】
「ルポ貧困大国アメリカⅡ」堤未果
「ザ・ベロシティ 製造業・起死回生のシナリオ」ディー・ジェイコブ/スーザン・バーグランド
   
   

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