2011年2月4日金曜日

子供手当にモノ申す

親しい友人に指摘されてあらためて最新の給与明細を見た。
すると教えられた通り、所得税が増えていた。
子供手当の支給で扶養控除がなくなったのである。
これぞ朝三暮四というのか、お粗末である・・・

子供手当に関しては、マスコミが「バラマキ」と批判するものだから、みんな批判的になっているように思える。もらっていない人が反対するのは当然ながら、もらっている人も「嬉しいには嬉しいが・・・」と声高らかに「賛成」という人には今のところお目にかかっていない。

マスコミの報道なんて頭から疑ってかかる私としては、「バラマキ批判の批判」をしたいと思う。
子供手当はまっとうな戦略だ、と。そもそも企業減税だって企業に対する「バラマキ」だ。
なのに逆に5%では国際競争に勝てないと、もっとバラマケと煽る始末だ。
まったく矛盾している(ちなみに私は企業減税に関してはマスコミと同意見だ)。

そもそも今回の不況は消費不況。
「人々がモノを買わない→企業が儲からない→働く人の給料が増えない→モノを買わない」という負のスパイラルにはまっている。
それを「モノを買う→企業が儲かる→給料が増える→モノを買う」というスパイラルに変換するには、お金というカンフル剤の投入が手っ取り早い。

しかし財政事情から全員には支給できない。そこで対象を考える。
老人はすでにお金を持っている(個人預金1,500兆円の大半は老人が持っている)。
若者や子供がいない世帯は可処分所得が多い(だから不況でもブランド品が売れている)。
一番苦しくて財布のひもが固いのは子育て世帯だ。だからここへピンポイントでお金をつぎ込むわけだ。名目は「子供手当」としておけば、少子化問題とあわせて恰好がつく(されど実態は消費喚起策だ)。

戦略としては間違っていない。
ちょっと考えればわかる事であって、バラマキなどと批判するのは、マスコミが脳味噌を使って自分で考えていないだけの事だ。
ただ、だからと言って問題がないわけではない。
どころか大ありだ。批判するならここをするのが正しい。

一番の問題は、「戦力の逐次投入」という愚行だ。
日本軍はガダルカナルでこれをやって失敗し、湾岸戦争では資金援助でこれをやって失敗した。
典型的な役人ならではの発想で、今またこれを繰り返している。
砂場にコップで水をかけたって効果はない。
やるならバケツで一気に大量投入しないと効果はでない。

具体的に言うなら13,000円(手取りではもっと減る)じゃだめなのだ。
我が家でもこれっぽっちじゃすぐ貯蓄行きだ。
せめて50,000円。これくらいあれば半分貯蓄に回して、半分は消費に回る。
外食や旅行やショッピングに確実に回る(飲みに行く回数も確実に増える)。
消費喚起効果は確実に現れると思うのだ。

賭けてもいいから、まずはやってみてもらいたいが、どうだろう。
冗談半分であるが、マスコミの意見と比べれば、はるかにまともだと思うのである・・・


【本日の読書】
「知らないと恥をかく世界の大問題」池上彰
「信じて根を張れ!楕円のボールは信じるヤツの前に落ちてくる」岩出雅之
   

0 件のコメント:

コメントを投稿