初めてのスキーでおっかなびっくり滑る我が子の姿を見ていて、自分自身がスキーをはじめた頃の事を思い出した。私のスキーデビューは高校一年の正月だった。中学時代の友人3人と越後中里に行ったのだ。
4人中、私とOとKの3人が初心者。スキーを履くところまでは良かったが、そのあとは慣れない感覚に動けなかったのを覚えている。やがてボーゲンで滑れるようになり、唯一の経験者であったTに誘われてリフトで上の方に向った。快調に降りてきたところ、最後の斜面で壁にぶち当たった。初心者にはちょっと厳しい斜面がそこにあったのだ。
我々初心者3人組は覚悟を決めて滑り始めたが、たちまち立ち往生。OとKはギブアップして板を担いで斜面を降り始めた。しかし「逃げる」という事が嫌いな私は意地で滑り降りた。登るならともかく、板は担いで降りるものではないとうそぶいて気合いで降りた。逃げるくらいなら転がり落ちたほうがまだマシだと思ったのだ。
やってみれば別に死ぬわけでもない。カッコ悪かったかもしれないが、とにかく滑り降りたからOとKに対しては優越感に浸った。絶対3人の中で一番うまくなるだろうと思った。しかしその後OとKは大学でスキーを本格的に始め(Oはおちゃらけサークルだ)、あっという間に私よりうまくなってしまった。
大学ではラグビー部に入ったが、冬のオフになると(普通の大学は冬はシーズンオフなのだ)部内スキーツアーが開催されたのでよく参加した。ラグビー部のスキーツアーは、練習のノリだ。朝からリフトが止まるまで滑るわけだが、休憩は昼食時のみ。お茶タイムなんてものはない。滑り降りてすぐリフトに乗る。その繰り返し。リフトの上が休憩時間という具合だ。
あの頃はテクニックを磨くよりもスピードとスリルを求めてすべる弾丸スキーだった。平日だからゲレンデも空いていた。みんな普段から「きつい」とか「休もう」なんて言わないから、スキーでも同様だった。一日存分に滑りまくった。
社会人になって会社の女性たちとスキーに行くようになった時の事だ。さすがに遠慮してゆっくり数本滑ったところ、あとからついてきていた女性たちが、「こんなに一気に滑ったの初めて」と目をシロクロさせながら言った。「今までどんな滑り方をしていたのだ?」と驚いたものだ。ゲレンデも混む週末だし、2~3本滑っては「お茶しよう!」というペースにはなかなか慣れなかった。
今ではさすがにそういうペースにも慣れてきた。子供たちとのんびり滑るというのも悪くはない。最初の頃を除いて、ほとんど今まで見よう見真似で滑ってきたし、ここらでスクールにでも入ってしっかり技術を身につけるのも良いかもしれない。来年はウェアーも新調して、スキー第2章のスタートと行くのもいいかもしれないと思うのである・・・
【本日の読書】
「8つの鍵」ロイス・クルーガー
「関東大震災~朝鮮人虐殺の真実」工藤美代子
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