2009年7月9日木曜日

春のめざめ

久しぶりにミュージカルを観に行った。
劇団四季の「春のめざめ」である。

劇場内に入ると舞台の上両端に観客席。
出演者かと思いきや、なんと観客だという。
変わった試みである。
プレミアムシートなのかと思ったが、通常の席が8,000円なのに対して7,000円だという。
安い理由は何なのであろう?
ちょっと疑問が残る。

あらかじめ予備知識など何も持たないでいった。ミュージカルを観に行く時はいつもそうである。ただ、本場のそれはトニー賞8部門受賞というから、まあハズレはないのだろうと思っていただけである。

舞台が始まる。
いきなり、「赤ちゃんはどうやってできるの?」というセリフ。
始まってみるとどうやらセックスに興味を持ち始めた若者達のストーリーだとわかる。
「春」とはその「春」なのか、「めざめ」とはその「めざめ」なのか、と納得。
自分自身、身に覚えがないわけではないような話が続くが、あまりにも昔の事なので、記憶も曖昧だ。

そういえば、中学・高校あたりでは、やっぱり他愛ないものを想像していては興奮していたかもしれない。今なら見てもなんとも思わないような雑誌を隠れて読んで興奮していた時代があったなあ、と思い起こされる。迫真の演技とでもいうのか、露骨な演技とでも言うのか、ちょっと生々しすぎる表現が目に付くところもあったが、それを大真面目にやっているのだからさすがプロだ。

小説と同じように、ミュージカルも強烈なストーリーで展開されるものと、そこそこのストーリーに歌や踊りをブレンドして香りたてるものとがある。
「オペラ座の怪人」や「ウィキッド」などのようにストーリー自体が面白く、映画化しても通用するようなものは前者だ。

そしてこの「春のめざめ」は後者だ。
ちょっと子供には見せられないようなドキッとするシーンもあるが、全体的にストーリーはそんなに大したものではない。ただ、俳優たちの迫真の演技と歌と踊りとが、ストーリーを肉づけして行く。正面の主役だけでなく、隅にいる一人一人に至るまで、まるで全員が主役のスポットライトを浴びているが如くに演技するさまは、例によって感心させられる。

映画のようにCGがあるわけでもないから、すべて生身の演技である。
足りない部分は観客の想像力で補わせる。
大人の役は男女2名の俳優さんが何役もこなすのも、その一つだ。
カーテンコールもしつこくなくてすっきりしていて良かった。
ただ、観客が珍しく少なかった。
四季のファンにはあまり受けないのだろうか。
個人的にはいつもと変わらず十分堪能できたのだが・・・

映画では味わう事のできない演技・演出の世界。
人生のより深い味わいを感じられるように思うのである。

次は「アイーダ」かな・・・

     

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