- 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
- 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
日本国憲法第九条
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世間ではGWという事ばかりが強調されているが、5月3日は言わずと知れた憲法記念日である。日本国憲法といえば、世界に冠たる「平和憲法」と一部の人達は自負しているが、その象徴たる第九条は、第1項はともかくとして、第2項は自衛隊との関係でどうにも具合が悪い。なぜなら自衛隊は明らかに憲法違反だからである。それは誰でもわかっている事であるが、だからといって自衛隊は廃止できない。できないからこそ、憲法違反ではない、と苦し紛れの解釈論でごまかしてきている。
私自身は、憲法とは国の基本であるから「義務教育を終えた人であれば、誰もが読めて理解できるものでないといけない」と思っている。個別の法律は多少難しくてもしかたないかもしれない。だが憲法は誰もが理解できるほどシンプルでないといけない。だからそのまま素直に読めば自衛隊は憲法違反であるし、だからといってなくすわけにはいかないものである以上、憲法の方を正すべきだと思うのである。
大学時代、法学部(ラグビー『部』、ではない)の学生であった私はある教授の憲法講座に出席した。その日の講義で、その教授は「自衛隊が憲法違反である」という事を90分の時間をフルに使って解説してくれた。それは目からうろこの論理展開で、大学の憲法講義とはこれほどすばらしいものかと感動したものである。
だが、考えてみると、確かにすばらしい論理展開なのであるが、なにもわざわざそんな高度な論理を展開させずとも、「だれでも読めばわかるじゃないか」と思ってしまったことも事実である(その講義に象徴される一連の法律論に限界を感じて、私は法曹界へ進む道を放棄したのだ)。しかし、現代の世界において軍隊を持たないで済ますなどという事は非現実的であって、それゆえに早く憲法を(特に第九条第2項を)改正してあるべき姿にするべきだ、と常々思っている。
もうじき子供も憲法を習うことだろう。その時、今のままであれば大人の世代としてまったくみっともないと思う。だめだ、と書いてあるものを解釈で抜け道を作るという事は、ルールを逸脱する方法を自ら教えているようなもので、それこそ教育上好ましくない。
なぜ軍隊が必要なのかという議論を始めたら、憲法改正の話とあわせてたぶん1時間は話をする事ができる。それをここにすべて書き記す事は今はやめておこう。ただ、子供たちがもう少し大人になったら「憲法記念日」には憲法の話をしたいと思っている。その時に「大人の複雑な事情から、ここには白と書いてあるけど、実は黒なんだよ」などというわけのわからない話は、できればしたくない。軍隊を自衛隊と言ったり、改正を改悪と言ったり、子供の白紙のキャンバスに描くには現実は少々醜すぎる。
素直に読んで素直に理解できる。そんなあるべき姿に早く正したいものだと思う。いつまでも「臭いものに蓋」式に先送りせずに正面から議論すべきなのだ。それをやらないのは政治家が悪いとするのは解決策ではない。
「世の中をよくするためにまず自分ができる小さな一歩は何か?」
いつもそう考えているが、この件に関しては、まずは子供たちにいつでもきちんと説明できるように考えをまとめておきたい、と思うのである・・・
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