「さなぎを醜いと嘲り笑う者はさなぎから生まれ出る蝶の美しさを知らない」
(松本零士の漫画より)
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私はけっこう人を励ますのが得意ではないかと思う時がある。
そんなに励ます機会が多いわけではないのだが、折に触れそう思うのだ。
何でだろうかと考えるまでもなく、理由は自分自身よくわかっている。
それは昔から自分で自分をよく慰め、励ましてきたからだ。
冒頭の言葉は例によって漫画で知った言葉だ。
もともとのオリジナルはどこかはわからない。
松本零士の漫画は、主人公が成長過程にある青少年というものが多い。
(「銀河鉄道999」「男おいどん」他多数)
その多くは「いつか必ずや」という思いを胸に、歯を食いしばって明日を夢見て今日を耐えるというパターンであり、必然的にそんな思いが私の心の中の思考パターンとして形成されていったのかもしれない。
実際中学・高校の頃は心密かに劣等感を抱く事も多く、そんな時はいつも「自分はさなぎだ」と思いこんできた。その後「美しい蝶」になれたかどうかは別として、いつも明日を夢見て自分に渇を入れてきた。だからこそ、落ち込んでいる人などには自分でも「良いこと言うなぁ」と思えるような言葉をかけてたりするのだろう。
人を励ますのはよしとして自分自身はもういいのかというと、これがそうでもない。
今でもけっこう辛いと思う事がある。
そんな時には「辛いという字がある、もう少しで幸せになれそうな字である」(星野富弘)などという言葉を引っ張りだしてきては、顔だけは上げていようと思うのである。
七転び八起きとはいうけれど、転ぶ回数は7回どころではない。
あと何回で済むかもわからない。
今日も、そしてたぶん明日も自分を励ます日々は続いていきそうだ。
いつの日か常にゆったりと構えていられる心境に到達する日がくる事を夢見る毎日なのである・・・
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